先の大戦で沖縄並びに航空戦に散華された先輩、同僚、また運命を共にした航空機材の冥福を祈ります。 沖縄翼友会
HOME »» ニュースclip »» 「零戦」エンジンの希少な取扱説明書を完全復刻 性能めぐる議論決着の糸口に

ニュースclip

「零戦」エンジンの希少な取扱説明書を完全復刻 性能めぐる議論決着の糸口に産経新聞2019.2.27

「零戦」エンジンの希少な取扱説明書を完全復刻①

【いまも飛ぶ大戦機】 直列、水平対向、V型といった表現は、自動車のエンジンでよく耳にする。これはピストンとシリンダーの並び方、すなわち気筒配列を表す用語なのだが、第二次大戦中の航空機エンジンでは「星型」が主流だった。前方から見た各気筒の並び方が、文字どおり「星」を形成するエンジン型式である。(藤森篤)

大馬力化、つまり排気量の増大をはかるには、気筒数を増加すればよいと考えられた結果、必然的に星型エンジンが考案された。その型式は当時の最先端技術であり、放射状に並んだ多数のピストンがそれぞれ干渉せずに一本のクランクシャフトを回転させる独特の構造は、機械的知識をお持ちの方でも容易に理解することが困難なほど複雑だ。

「零戦」エンジンの希少な取扱説明書を完全復刻②

「零戦」と「隼」が搭載したのも星型エンジンであり、中島飛行機製の空冷星型複列14気筒エンジンであった。海軍ではそれを「栄発動機」、陸軍では「ハ25 / ハ105 / ハ115」と呼称した。

80年前の日本の技術を垣間見る資料

敗戦国である日本には、第二次大戦時の兵器、その設計図などがほとんど残っておらず、それは栄発動機においても同様である。しかし、32枚の構造解説図を含む、総頁372ページにおよぶこの取扱説明書では、中島が曳いた栄発動機の断面図、オイルラインの系統図などが多色刷りで描かれている。

「零戦」エンジンの希少な取扱説明書を完全復刻③

栄発動機のメンテナンスに当たる整備兵のために編纂されたこの取説では、栄発動機の詳細な構造解説、調整方法、起動手順、試運転方法、トラブルシュート、格納保存方法、専用工具一覧などが詳細に語られており、80年前の日本の最先端技術を垣間見る資料として、このうえなく希少であり、リアルである。

「零戦」エンジンの希少な取扱説明書を完全復刻④

マニュアルでうかがい知る栄発動機の特異性

太平洋戦争当時、米英軍はあらゆる兵器類の取り扱いや整備などを徹底的にマニュアル化することで、効率化と人的ミスの低減を図っていた。かたや徒弟制度が根強い日本では、この分野では相当に立ち後れていた。ところが栄発動機には、工場から最前線、工員から一兵卒にいたるまで、正しく遅滞なく稼働させるために、このマニュアルが用意されていたのだ。その意味においても、いかに栄が特別なものであったか、いかにこの取説が特異な一冊であるかがわかる。

「零戦」エンジンの希少な取扱説明書を完全復刻⑤

零戦や栄の現物がほぼ残っていない今日において、専門家の間ではその性能などに関していまだ議論が沸き起こるが、その結論のための糸口が、この一冊に見出されるかもしれない。

【プロフィール】藤森篤(ふじもり・あつし)

日本大学理工学部航空宇宙工学専修コースで、零戦設計主務者・堀越二郎博士らに学ぶ。30余年間、飛行可能な第二次大戦機の取材撮影をライフワークとする。著書は「零戦五二型・レストアの真実と全記録」(エイ出版社)など。

産経新聞2019.2.27

おすすめ書籍

栄発動機二〇型取扱説明書 完全復刻版

新品価格
¥8,640から
(2019/2/28 07:22時点)

スペシャリスト3人が解析する零戦と栄発動機 (エイムック 3162)

新品価格
¥2,268から
(2019/2/28 07:25時点)

空華之塔(くげのとう)について

太平洋戦争は沖縄を天王山として終結しました。例え悲しい敗戦に終わったとは申せ、地球の半ばを覆う広大な戦域を舞台として優秀な連合軍の空軍を対手に戦い抜いた我が航空勢の健闘は国民は申すに及ばず世界の人々の・・・>>>つづき空華之塔 Okinawa yoluyukai

アクセス

沖縄県平和祈念公園内に空華之塔はあります。那覇から平和記念公園は約22kmあります。沖縄本島の最南部糸満市摩文仁ありバス、タクシーもご利用できます。・・・>>>つづき案内地図 Okinawa yoluyukai

沖縄航空史

琉球王「尚 穆」(しょうぼく)の時代36年の頃、首里士族で花火師の安里周当(あさとしゅうとう)が凧(たこ)用の飛翔体で、南風原村(はえばるそん)字津嘉山(あざつかざん)部落の自宅および付近の山野で飛行したとの逸話伝説あり。・・・>>>つづき飛び安里 Photo:南風原町観光サイト

寄付について

戦後70年が過ぎ会員の高齢化と会員数の減少に伴い、維持管理の費用もそれぞれが持ち出しという状況になっています。先の大戦で勇敢に戦った英霊の功績を後生に残したい思いでなんとか維持しいるのが現状と申せましょう。航空関係者のみならず多くの日本の方々に心よりご支援の程御願い申し上げます。 Okinawa yoluyukai


寄付について

戦後70年が過ぎ会員の高齢化と会員数の減少に伴い、維持管理の費用もそれぞれが持ち出しという状況になっています。先の大戦で勇敢に戦った英霊の功績を後生に残したい思いでなんとか維持しいるのが現状と申せましょう。航空関係者のみならず多くの日本の方々に心よりご支援の程御願い申し上げます。